暗号資産

詐欺師が仕掛ける心理トラップ——セントラ・テックから学ぶ教訓

belltree

「そんなの、誰が見ても詐欺でしょ?」

セントラ・テック詐欺のドキュメンタリーを見て、

そう思った方も多いのではないでしょうか。

最初から嘘だらけのプロジェクトが、

著名人の広告や大手企業との提携を経て、

次々と資金を集めていくーー。

「なぜこんなことが起きたのか?」

「どうして騙されてしまったのか?」

詐欺事件の背景には、

単なる巧妙な話術だけでなく、

人間の心理を突いたトリックが隠されています。

この記事では、セントラ・テックの詐欺のドキュメンタリー。

「虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺」(2024:Netflix)を見て考える暗号資産の詐欺について解説していきます。

・2級FP技能士、証券外務員

・投資経験がほぼゼロで資格を活かしきれていない

・将来の漠然とした不安を払拭すべく一念発起

・正しい知識を広めて同じ悩みを持つ人と一緒に安心できる未来を目指す

この記事を書いた人
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セントラ・テック事件の概要

セントラ・テックは、

暗号資産を簡単に使えるデビットカードを開発するとして資金を集めたプロジェクトでした。

しかし、実際にはそんなカードは存在せず、

彼らの主張はすべて嘘。

にもかかわらず、

著名なインフルエンサーの広告戦略大手企業と提携しているといった偽の情報を駆使し、

多額の資金を調達しました

まるで映画のような詐欺劇:「セントラ・テック」の怪しすぎる展開

「えっ、こんなことで騙されてしまうの?」

最初から嘘にまみれたプロジェクトだったのに、

次々と資金が集まりました。

なぜこんなことが起きたのでしょう?

特に興味深かったのは、

韓国の企業がなぜ融資を決断したのか、

そして主犯のレイが最も短い刑期を受けたことです。

韓国からの融資を受けられるかという場面で

急いで作った偽アプリはうまく作動することができず、

失敗したかに見えました。

しかし、

韓国の企業は融資をすることを決めます。

そして、主犯であるレイは逮捕者3名の中で最も刑期が軽かったことにも驚きです。

カリスマ性なのか。

明らかにおかしいと思いながらも、

どんどん会社は大きくなっていく。

単なる「気をつけましょう」というような話ではなく、

人間心理の奥深さが浮き彫りになった事件とも言えます。

なぜ人は騙されてしまうのか?心理トリックを解説

サンクコスト効果:「ここまできたらもう引き返せない」

一度お金や時間を投じてしまうと、

「せっかくここまで頑張ったのだから、もう少し様子を見よう」

と考えてしまうものです。

詐欺師たちは、

この心理を巧みに利用します。

「今なら追加投資で大きなリターンが得られる」

「ここでやめたら損をする」

といった言葉で、

投資家をさらに引き込んでいくのです。

権威効果:「有名人や有名企業が関わっているなら安心」

セントラ・テックは、

プロボクサーのフロイド・メイウェザーやDJキャレドといった著名人を広告塔に起用しました。

大手カード会社や銀行との連携を謳い、

信頼できるプロジェクトなのかも

と錯覚させる要因になりました。

人は、権威のある人物や組織が関わっていると、

つい安心してしまうのです。

特に暗号資産のような新しい分野では、

専門知識がない人ほど

「詳しそうな人の意見」に頼ってしまいがちです。

「有名なインフルエンサーが勧めているから」

「公式サイトがしっかりしているから」といった理由だけで判断してしまうと、

詐欺師の思うつぼになってしまいます。

集団心理:「みんながやっているから大丈夫」

「こんなに多くの人が投資しているのだから、きっと問題ないはず」

詐欺案件が大きくなればなるほど、

逆に安心してしまう人が増えるという皮肉な現象があります。

セントラ・テックも、「ICOで大金を集めている=成功しているプロジェクト」と誤解され、

多くの人が騙されてしまいました。

また、詐欺師たちは

「みんなが利益を出している」

「有名企業も関わっている」

といった情報を積極的に発信し、

不安をかき消そうとします。

実際には、一部の関係者だけが利益を得ているだけだったり、

企業の関与が単なる名前貸しであるケースも少なくありません。

詐欺師たちはどのように人を操るのか

詐欺師たちは単に嘘をつくだけではなく、

人の心理を巧みに操ります。

希少性の演出:「今すぐ決断しないと手遅れに!」

「あと〇〇時間でこの価格は終了!」

「今だけの特別オファー!」

こういったフレーズは、

冷静な判断を奪い、

「今すぐ決めないと損をする」

と思わせる効果があります。

見せかけの成功:「ほら、これだけの利益が出ている!」

詐欺師たちは、

最初のうちは実際に投資家に利益を還元することもあります。

これは「ポンジ・スキーム」と呼ばれる手口で、

新規投資家の資金を古参の投資家に分配することで、

あたかもプロジェクトが順調に進んでいるように見せかけるのです。

「最初に投資した人は利益が出ている」

という口コミが広がると、

ますます多くの人が騙されることになります。

今もどこかで起きている話かも

セントラ・テック事件は過去の話ですが、

似たような手口の詐欺は今もどこかで行われているかもしれません。

「〇〇と提携!」「著名人が推奨!」「今すぐ買わないと損をする!」

こういった言葉を目にしたときは、

ぜひ一度立ち止まってみてください。

詐欺に引っかかるのは、

「騙されやすい人」だけではありません。

私たち誰もが持つ心理的な盲点を突かれることで、

気がつかないうちに巻き込まれてしまうのです。

あなたなら、この手口に騙されずにいられる?

詐欺は巧妙で、

誰にでも起こりうるものです。

でも、詐欺師たちが使う心理テクニックを知っていれば、

「おかしいな」と気づくことができるかもしれません。

このドキュメンタリーを見て、

改めて詐欺の手口の巧妙さに驚かされました。

騙される側を責めるのは簡単ですが、

人間の心理をうまく突かれると、

誰でも巻き込まれる可能性があります。

セントラ・テックのような事件をただの過去の話として終わらせるのではなく、

これからの投資判断に役立てることが大切ですね。

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2級FP技能士・証券外務員
フリーランスの事務職で生計を立てている。お金の勉強をしようと一念発起。2級FP技能士、証券外務員を取得するも、投資経験はほぼゼロ。将来に対する不安を払拭すべく、投資の勉強を本格的に始める。
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